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Culdcept 10th Anniversary

The first Culdcept® was released on October 30, 1997.

各所からの「マインドブラスト」を耐え、見事完成したモバイル版誕生秘話

カルドセプト クロニクル season 2-2

Culdcept Cross Talk SEASON 2

現在、シリーズ唯一の携帯ゲームであり、『カルドセプト』初のライセンスアウトゲームでもある『カルドセプト モバイル アナザーチャプター』を創り上げた“田巻敏直”氏が、10周年のお祝いに駆けつけてくれました。今尚、数千のユーザーが対戦プレイを楽しむ“最高峰のカードゲームアプリ”について語り合います。

第ニ回:『カルドセプト』らしさの抽出

ゲームの『カルド』では、風メインのブック。ナイトやグリフォンがお気に入り

実際の制作過程では沢山のカードを作って、テストプレイを重ねた

武重
確か、ウチの会社へプレゼンに来て頂いたんですよね。
田巻
その日のことは凄く覚えてます。実際、ここまで大きなプロジェクトは自分自身初めてでしたし、版権元さんへのプレゼンだということで、かなり緊張してました。
武重
そうだったんですか。
田巻
開口一番「緊張してます」でしたもん。出されたコーヒーカップを持つ手が震えていました。
武重
いえいえ、しっかりプレゼンして頂きましたよ。企画もすごく分かりやすくて。上手いこと『カルド』感を抽出してくれたなぁと。
田巻
ありがとうございます。
武重
この時点でもう、1対1のカードバトルになってましたよね。
田巻
そうです。『カルド』って4人で対戦するボードゲームなんですが、これを踏襲すると、どう考えてもプレイ時間がかかってしまう。そこで2人対戦に絞り込んだんですよ。
武重
『カルド』の勝利条件って、魔力を貯めてゴールすることなので、バトルに重きを置かなくても、戦略で勝てるのが特徴なんです。そこをあえて、カードバトルに特化したのが良かった。
田巻
ケータイでゲームを遊ぶ層ってライトなので、とにかくわかりやすさを重視した結果ですね。
武重
セプターに攻撃を加えるというアイデアは、どこから?
田巻
これは小説「カルドセプト創伝 ストーム・ブリング・ワールド」を読みまして、あぁセプターってこんな感じで戦ってるのかと。
武重
なるほど。確かにあの戦いは、手に汗握りますからね。
田巻
さらにコミック版も読みまして。やはりカードからクリーチャーが飛び出し、入り乱れながら戦って、最終的に敵を倒すっていうのは、燃えるシチュエーションだなぁと。
武重
スペルでセプターが苦しんだり、クリーチャーの能力で影響を受けたりね。
田巻
これはいいんじゃないかと、企画に落とし込んでみました。
武重
プレゼンの後、大宮ソフトさんに見てもらったんですが、概ね好感触で。すんなり「おもしろそうじゃないすか」と。
田巻
ドワンゴから3人で伺ったんですが、帰り道で上長が「今日は最高だよ~」って、トンカツを奢ってもらえたのも嬉しかったです。
武重
あと、こちらからの条件として、『カルド』らしいバランスになるよう、猿楽庁でチューニングして欲しいとお願いしたんですよね。
田巻
猿楽庁さんには大変お世話になりました。バトルの仕様が固まったのは、テストプレイの賜物で。
武重
最初は確か、オートでバトルが進むようなシステムだったんですよね。
田巻
はい。とりあえず遊んでみましょうって、テスト用にリアルカードを作って属性マスを並べて、その辺にあったフィギュアを使って。でも「これ面白い?」って話しに…。
武重
うーん。ゲーム作りの醍醐味な感じですねぇ。
田巻
本当、テストプレイを繰り返す度に、バトルの仕様が詰まっていきました。
武重
遊んでみて分かることって、ありますもんね。
田巻
カードの能力もどんどん更新されて。テスト用のリアルカードもかなり作り直しましたよ。
武重
カード能力についてはルールも違うので、イメージを崩さなければいいってことで。
田巻
最初はかなり元のカードを意識していたんですが、やはり色々制約がありまして。
武重
普通のトレーディングカードゲームで考えたら、カード量が多いんですよね。
田巻
でもせっかくのライセンス商品ですから、使えるカードは全部使おうと。特殊能力なんかもできる限り再現しようと頑張りました。
武重
呪い付加、死者復活、反射なんかも実現していて、バトルに関する要素はほぼ入ってるイメージですよね。
田巻
プログラマと一緒にカードの能力を一覧にして、外せない能力の実現度も含めて、優先順位つけてやってました。
武重
最終的にはバランスですよね。
田巻
はい、それはもう大変でした。ぶっちゃけ、アプリ公開以降もけっこう直し入れてます。
武重
実際スケジュール的には、どうだったんですか?
田巻
ゲームアプリって企画書に沿って仕様書を上げたら、ほぼその形で完成まで持っていくのが通常なんです。こんな風に仕様が二転三転というのはありえない。ホント、時間かかりましたね。
武重
実は企画の段階で、アプリにしてはちょっと規模が大きいかな~と、心配はしてたんですよ。
田巻
しかも内部的には、この年(2005年)のゲームショウに出展する予定にしていたので。
武重
大変でしたね。
田巻
でも大変より、楽しいの方が勝ってましたね。本当に、作っていて楽しかった。
武重
それって、作り手としては最高じゃないですか!
続きます!